サツキログ

DINKsの30代OLによるライフスタイルブログ。日々の生活/旅行記/キャリア/カルチャー関連など。元社畜です。

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藤井風と私~2024.8.24日産スタジアムライブ参戦をうけて~

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2024年ももう終盤。

一時期、SNSや音楽界の話題を賑わわせた藤井風のスタジアムライブ、「feelin' Good」が終わってから早4か月が経とうとしている。

実は私は、DAY1である8月24日に会場の日産スタジアムに立っていた。

今年の初め「2024年やりたいこと100」にあまり期待せずも書いた、"藤井風のライブに行く"が叶ってしまった。

YouTubeでは当日の映像配信はストップされ、NETFLIXやブルーレイで映像化は決まっているもののDAY2である25日の内容となるため、既に幻となってしまった24日。

今年一番の思い出と言っても過言ではないくらいのイベントだったのに特にどこにも記録していなかったので、せっかくなので年の瀬に想いをしたためてみようと思う。

24日のライブレポートというものの、私の風史の歩みなどざっと最初に書いているので、「ライブの様子だけ知りたいんじゃ~」という方は後半までスクロールしてくださいな。

風くんとの出会い

私が風くんに初めて(YouTube上で)出会ったのは2019年の晩夏のこと。

ピアノ一つでearth wind&fireの「September」を見事にカバーしていて、「なかなか渋い歌カバーしてるなー」と思い投稿を遡ったら、見事に私の好みのアーティストを網羅していることが沼の始まりだった。アリシアキーズにジャミロクワイ、m-floなど...ちょっと世代が違うであろうにここまで見事に押さえてくるとは。

当時はまだアーティストというより、YouTubeの中で自由に歌っている少年。というイメージが強く、そのイメージは今も私の中で全く変わってない。

今や世界的アーティストであることには変わりないものの、なぜか私の中では「少年・藤井風」なのである。

私自身、岡山出身の友人は多かったし、営業職時代はよく岡山に出張をしていたし、夫の実家がある四国に帰省する際は必ずのように岡山を通るし、風くんの出身である「岡山」という土地に馴染みがあったから余計かもしれない。ちなみに学生時代に初めて付き合った彼氏(モラハラメンヘラクソ野郎)も岡山出身である。

なにより、今の職場でプライベートでもよくしてくださっている方が、風くんと地元激チカ&何なら母校一緒、くらいの同郷の方というのが大きい。(学年が違うので面識はゼロだそうですが)

「あの子、最近見んねぇ。何しとるん?」「今アジアツアー行ってるらしーっすよ」「へぇ、そうなんじゃぁ」という会話が日常過ぎて、なんだかよくも悪くも私まで精神的な距離感がバグっているのである。

おかげで「アーティスト藤井風」ではなく、「藤井サンとこの風くん」を応援する近所のお姉さんのような感覚で、デビュー前からひっそりと見守ってきたのであった。

(ちなみに"お姉さん"だなんておこがましいが、風くんの実姉のお二人と同世代なので許していただきたい)

幻のライブとそれ以降のライブ離れ

そんな風くん、実はデビューして間もない時期に幻のライブがあったのはご存じだろうか。

あれは忘れもしない、2020年6月4日。我が地元関西で行われるZeppなんばのワンマンライブ。ハコのキャパ約2500人。昨今の規模と比べると悶絶するくらい近い距離感だ。

当時、「あ、これ行っとかなアカンやつだ」と直感的に判断し、チケット通販サイトをポチると一瞬で席がとれた。もちろん抽選もナシ。今となっては信じられないくらいイージーだった。

ところが、コロナ禍の緊急事態宣言下で見事に中止となったのである。

ちなみに余談だが、中止になったものの行ったつもりでネット購入したグッズのHEHN Tシャツは、あろうことかしばらくパジャマとして使用していたが、某フリマサイトで高額で取引されているのを知って初めてレア度に気付き、その日からそっとタンスの大事なところにしまった。私の熱狂度合いは、良くも悪くもそんなもんだった。

その反面、世間に見つかるまでさほどかからず、風くんは一気にスターダムの道を駆け抜け、ファンも一瞬で増え、ライブチケットも急激に取りづらくなってしまった。

とりわけ、私がちょっと引いてしまったのはファン層の幅広さである。

知名度が上がればあがるほど、狂信的で、盲目で、過激なファンが増えていった(もしくは一部のそういう方が悪目立ちしている)ような気がする。直接お会いしたわけではないのだけれど、その空気感になんとなーくネガティブな違和感をもった、というのが正直なところだ。

もちろん新曲や動きは都度チェックしていたものの、藤井風ファン界隈とはちょっと距離を置くようになっていったのであった。

日産スタジアムライブ参戦のきっかけと夫

そんな形で長らくライブに行く事すらあきらめていた私にきっかけを与えたのは、夫である。

「8月に横浜でライブあるけど、チケット申し込まんくていいの?」

この頃、夫は勤めている職場を退職する意向を固めていて、上手くいったら8月は有給消化期間。元々シフト制の仕事で土日のイベントとは縁がなかったが、恐らく休めそうだったので、「俺多分当たりそうな気がするから申し込んどくで~」と根拠のない自信と共に応募したのが始まりだった。

夫は風くんにさして特別な興味があった訳ではないが、日常的に流しているラジオ・FM802のリコメンドアーティストとしてよくピックアップされており耳に馴染みがあったのと、土日休める、という今までにない高揚感が後押ししたのだろう。

そうした第一回目の結果は、落選。おい。当たりそうやったんとちゃうんか。

その後、2回目の抽選はまさかの夫が申し込みを失念し(やっとくで~ってゆうたやんか)、3回目は抽選があったことすら知らなかった。

時が経ち、8月上旬にして24日25日の予定は全くの白紙だった。せっかくだし旅行にでも行くかな。と思うものの、なぜかその気が湧かない。台湾なり瀬戸内の直島なり候補は出てきたが、最後の最後で100%の踏ん切りがつかないのである。

8月も半ばが過ぎた日、夫が「最後の抽選あるらしいで」とダメもとで4回目の抽選に応募してみた。するとその数日後、イープラスから謎のクレジットの引落のお知らせが。まさかこれは。と思っていたら当選のお知らせメールを受信し、最後の最後で信じられないくらいあっさりと8月24日のライブ参戦が決まったのであった。

まさにライブ当日4日前のこと。24日25日の予定は、幸いまだ白紙のままだった。

”Feelin' Good”に参加しての感想

参加した「Feelin' Good」は、西海岸の空と風が連想される雰囲気の中、どこか夏休みの終わりが思い出されるような演出だった。

我々が当選した席は「スタンド参加席」と言われ、ステージの左右延長線上に配置されたいわゆる見切れ席のようなところ(サムネイル参照)。ガチでステージ真横からの参加になるので、風くんが少しでもステージ奥で歌おうものなら本人が見えなくなる。(その分チケットも少々お安く設定されている)

それでも極力ステージの最先端でパフォーマンスをしてくれたし、席の真横に見切れ席専用のクソデカモニターを用意してくれていたので、全体の雰囲気は十分伝わった。

何よりこの席で良かったと思えたのが、物理的な距離感である。

見切れ席とはいうものの、ステージ対岸のスタンド席や一番後ろのアリーナ席に比べたら、本人との距離が断然近かった。演出として、最初と最後に自転車でアリーナを一周してくれるタイミングがあるのだが、その時なんかは我々との最短距離は体感50メートルもないのでは?と思うくらいであった。

あぁ神様ありがとう。これが私が求めていたzeppなんばでの距離感である。

印象に残った曲・演出

言わずもがな、チープな言葉にはなるがライブ自体は本当に素晴らしいものだった。

「満ちてゆく」では最初まばらだったスマホのライトが徐々に広がっていき、一面の光になる様には7万人の一体感を感じたし、ラスト前の「何なんw」のメンバー紹介で徐々に音が盛り上がっていき最後に大団円を迎える様子は心温まるものがあったし、ラストの「まつり」では日本の夏・夏休みの終わりに相応しい盛り上がりでこの曲を最後に持ってきて大正解だと思った。(「燃えよ」は言葉通りリアルに燃えていた)

ちなみに「まつり」では最後に風くんがバチクソにかっこいいフェイクをかますのだが、その時私はステージ裏(つまりは我々の真横)から打ち上げられる大量の花火にあっけに取られ、肝心の歌はほとんど覚えてない。後々のYouTubeでフェイクの旋律を知ったが、我ながらもったいないことをしたと思う。

私はしいて言うなら「何なんw」が一番好きだったが、夫は「旅路」に心掴まれたようである。夫はモンゴル800やロードオブメジャー、ゴーイングステディなど2000年代ロックをばっちり通ってきた人間だったので、青春ロックver.にアレンジされた曲調がブッ刺さったらしい。旅路の歌詞もまさに通りすぎた青春そのもの。夫の他にも同じように感じたアラフォー世代は一定数いるはずだ。

同じくらい感動したのは、コーラスで参加されていたエモーレスさんとARIWAちゃん。

エモーレスさんに関しては、後からご本人のYouTubeを聞いたらかなりソウルフルにR&Bをカバーされる歌唱力を持ってらっしゃるに関わらず、コーラスの時は使い分けてらしたのか、とても柔らかい声だったことに驚いた。やっぱプロってすげぇ。

ARIWAちゃんはノリノリの様子がめちゃくちゃかわいくてとても華があった。(帰り際も夫の横で、「ARIWAちゃんカワイイ、ARIWAちゃんカワイイ」とおっさんのように一人連呼していた)

とにかく二人とも、力強くも風くんの声を邪魔せず丁度いい塩梅に曲全体を支えられており、きっとあのクソでかい会場でアレンジやフェイクが満載だったのもこのお二人のおかげなのかと思う。

また、ライブ終了後の退場パフォーマンスも秀逸だった。

24日のライブ終了後は、我らが関西・FM802からDJの飯沼大吾さんによる、ライブの裏側トークも交えながらの混雑が起こらないようスムーズな退場案内があり、チーム風の最後までの心遣いが感じられた。

まさかの馴染みのラジオ局からの人選で、なんとなく誇らしい気分。夫も飯沼さんの声は何度か聞いたことがあるらしく、このライブ自体に更に親近感が湧いたようだった。

ちなみに完全に余談だが、夫はこのライブ参戦以来、藤井風沼にどっぷりはまってしまったようである。(本人は公言はしないが)

ライブの余韻冷めやらず、その臨場感を保つべくサブスクでライブ音源をDLし、ワイヤレスイヤホンを買い、それがきっかけで通っていたチョ●ザップでの快適性が上がり、更に頻繁に通うようになって、ここ1年で急激に増えた体重を3ヶ月で5キロ近く落とした。

もっというと、通いすぎてフレンドリー会員(ボランティア清掃を行うことで会費が一定額安くなる制度)に当選し、家計がほんの少し浮いた。

お世辞にも音楽に長けているタイプではなかった(むしろ音痴だった)が、藤井風の曲だけはそこそこ鼻歌を歌えるようになった。今や、風くんの情報には夫の方が詳しい。

すごいよ、藤井風。人の人生変えてるよ。

後日談とこれからの私のあり方

私にとって"Feelin' Good"は、2024年夏の最後の思い出となった。

まさに、広い空に夕日が落ちていくステージ演出や、「まつり」で魅せられた日本の夏の終わり感にやられてしまった。

あれから3ヶ月が経ち、私はいつも通りゆるーく風くんの動きを追っている。

相変わらず度が過ぎていたり狂信的なファンの方はいらっしゃるようだが、良くも悪くも私の中で風くんを近所の少年だと感じるスタンスは変わらない。

昔雑誌のインタビューで、本人が「誰かの人生でちょっといい気分になってもらうために音楽をやっているようなもの」の類の言葉を話していたが、ライブ中に発された「This is not my show.This is your show.」という言葉の中にもそのマインドが集約されているような気がする。「あなたが主役の人生をちょっと彩るための今日の出来事」という、あくまで個人的解釈だけれども。

この言葉のように、きっと風くんは自分のことを特別だと思っていないし、過度に崇められることも望んていない。はず。

だからこそ、全ての人の生業にリスペクト示す「Workin’ Hard」という曲ができたんだろうし、天は人の上に人をつくらない「まつり」という曲ができたんだろうと思っている。(両方個人的解釈)

今や世界のアーティスト藤井風であることに変わりはないし、きっとこれからも多様なファン層を広げていくのだろうけれど、私は私で適度な距離感を保ちつつ、それこそ寝そべり配信で他人の曲を歌おうものなら「ちょっとアンタ、自分の曲はまだしも、人様の曲を歌う時くらいは座って歌いなさいや?」と心の中で冷静に突っ込めるようなつかず離れずの見守り隊を続けていきたい。

いつか、フラッと2回目のライブに行けることを祈って。

 

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