久々、1冊単独での読書記録ブログです。
モロッコ雑貨と言えばこの店、Fatima Moroccoのバイヤー・大原真樹さんによる自伝エッセイ。
"世界はほしいモノであふれてる"で知ってから、ずっと気になっていた方です。
失礼ながら、本を出されたということを少し前に知り(発売は2020年3月)、楽天ブックスで即行でポチりました。
42歳でFatima Moroccoを起業された大原さん。少しジェンダーを感じさせるタイトルなので男性の方はどういう印象を持たれるかはわかりませんが、華やかで楽しそうなお仕事に至るまでの瞬発力や思い切りの良さに、物事に向き合うこと全てに共通する心意気みたいものを感じる本でした。
半分私の記録みたいなもんですが、感想です!
私の「世界はほしいモノにあふれてる」事変
今でこそ私の中の超有名人の大原さんですが、その出会いはたまたま再放送で見た「せかほし」でした。
当時、仕事ばかりの生活で22時半のリアルタイムせかほしを見ることなんかまったくなかったのだけれど、偶然休みの日に再放送で見かけたせかほしのテーマが"モロッコ雑貨"。
面白いことに、その2か月後にモロッコに旅行することが決まっていた私は、番組内で紹介されるカオスなスークや魅力的なモロッコ雑貨の映像を真剣に見たことを覚えています。
案の定、行ってからモロッコという国にドはまり。何なら、期間限定で住んでみたい。
更に大原さんはバイヤーの前は販売やスタイリストという仕事をされていたのだけれど、私も過去、微々たるも服飾業界に関わりのある仕事をしていたことが内外共にあって。
具体的なことをする立場ではなかったものの、結局のところスタイリストもバイヤーもどちらもクリエイティブな仕事で、転換・実現・継続することの難しさを感じていたつもりでした。
そのため、大原さんがどのようにしてモロッコでのバイイングをビジネスにされたのかずっと興味があり、国や職種という色んな点から一方的にシンパシーを感じていた、という前置きです。(長い)
Age is just a numberとはこのことか
そうして読んでみたわけですが、思い切りの良さと瞬発力が一番の印象に残りました。
「好き」が高じて実際に現地に赴き、ビジネスにまでつなげられるとこと、やっぱり並大抵の人にできるようなものではない。
もちろん最初からうまくいっているわけではなく、自転車操業の時期があったり、在庫を抱えて後戻りのできない状態での営業周り(自力!)があったり。じっと耐えたり下準備の時期があったということに、失礼ながらもスーパーマンではない安心感を感じつつ、それでもやっぱり感じた印象は「思い切りの良さ」でした。
だって、そもそも思い切って始めないとどうもなりようがないから。笑
結局、行き詰ったことがあったとしても、それは「始めたから」こそなんだな、と。
しかも、大原さんが初めてモロッコに行ったのは36歳。ビジネスを始めたのは42歳。
一般的に決して"早い"と言われる年齢ではないけれど、実際「行動に移した」ということがこのあとどうなるかのそもそもの違い、のように思う。(成功しても失敗しても)
「もう○才だから...」とか「年を考えるととても...」とか、結局「やっていない」だけのことであって、する人はするし、しない人はしない。
"年齢はただの数字"とは、まさにここでも言えることだなー、なんて感じてしまいました。意味は違うかもしれないけど。
前を走ってくれる女性がいることの心強さ
もちろん、これは大原さんだからこその成功例かもしれないし、挑戦する物事によっては「本当にやってもいいのか」の判断と嗅覚・覚悟はいると思う。
ただ、30代の女性である自分からしたら、こうして自分らしく生きている女性が背中を見せてくれるのはとても心強い。
だって、多様性の社会になったとは言うものの、男女ともに「女は(男は)○才で~」とか「□□するのが人生スタンダード」みたいな、見えないレール縛り多くないですか?笑
そんな中で好きなことをして、紆余曲折ありながらもよく言われる"普通"と少し違う道を開拓している大原さんは、とても、かっこいい。
かくいう私は何がしたいかというと、まだそんな立派なことは出てこないし、出てきても日常の範囲内で収まる微々たることくらいしかない。
でも、今後1つ1つ、これを始めたい・こんな自分でありたい、って考えるとき、すごく勇気づけられる経験が載ってある本であることは間違いないと思いました。
なんかもう、ネットニュースのフィードにはマイナスな気分にしかならないような年代別のトピックが多くてゲンナリする。
どうせなら、年を取ることも肯定的できるような、大原さんのような有意義な情報を目に入れていきたいな。そして見るだけでなく、大なり小なり挑戦や失敗もして、自分なりに楽しくやっていることを下の世代にも見せないと申し訳が立たないな。
頑張って、どん欲に年をとるぞ。
そう思ったとき、"女性はわがまま"と仰る大原さんがタイトルに込められた意味を、自分なりに解釈できたような気がします。
ちなみに、今更ながらFatima Moroccoですが、「逃げ恥」でガッキーがはいていたニコちゃんのバブーシュが有名です。
モロッコ雑貨、とってもかわいいので色々調べてみてくださいな。