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DINKsの30代OLによるライフスタイルブログ。日々の生活/旅行記/キャリア/カルチャー関連など。元社畜です。

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【子宮筋腫手術:完結編】わずか3cmの筋腫摘出手術を決めた理由

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※今回は少し真面目なブログです※

私は2021年9月に子宮筋腫を摘出する手術を受けました。

子宮筋腫とは子宮に良性のコブができる女性特有の疾患です。

生理痛や過多月経など、QOLの低下にはつながるものの、放っておいても命や健康に関わるような病気ではありません。

そんな中、私は3cmという比較的小さなサイズにも関わらず、筋腫の摘出手術を行うという決断をしました。同じ症例のなかでもレアパターンだと思います。

先日、数パートに分けて子宮筋腫が判明した経緯や手術・入院生活の記録などをブログに記しました。

【子宮筋腫手術:前編】筋腫発見から手術の決断~入院までの経緯

【子宮筋腫手術:中編】手術当日と手術直後の痛みや症状について

【子宮筋腫手術:後編】手術後の入院生活と回復→退院と日常復帰

しかし、なぜ私が手術を受ける決断をしたか・どのような葛藤があったか...がこの経験の核となっており、これを整理しない限りは一連の流れも完結とはなりません。

子宮筋腫は、大きさ・症状・年齢・妊娠出産の可能性などによって個人が今後の方針を考えていかないといけない病気です。

私は結果的に、キャリアのタイミングと妊娠した際の不安払しょくが、決断の理由になりました。

今回のブログでは、同じように「手術すべきかどうか」を迷われる方の参考になるべく、ごく一例として、私がなぜ手術という決断に至ったかを書いていきたいと思います。

また婦人科系の病気について話すという事は、少なからず妊娠・出産というデリケートな話題について触れるという事が避けて通れません。

裏テーマとして、個人的な妊娠・出産における価値観の吐露という意味でも、自戒を込めた内容にできればと思います。

《ご注意事項》今回の話題(妊娠・出産・婦人科系疾患)に関しては、各個人で色んな価値観があるかと思います。私の場合を述べることにはなりますが、ライフスタイルが多様化している中、違う立場・生き方の方を否定するといった気持ちは全くありません。あくまで一例として、寛容な気持ちでお読みいただけると嬉しいです。

3cmの筋腫発見と医師の見解

子宮筋腫が発見されたのは2021年の5月。

2ヶ月にわたって、それまでと異なる激しい生理痛に見舞われ、念のため婦人科に行って超音波検査を受けた結果、発覚しました。

元々は4~5cmの見立てだったのですが、MRIを撮って出た正確な大きさが3cm程度。

子宮筋腫は自覚症状は少なく健康面でもさほど害のない疾患であるものの、こと妊娠・出産となると話が変わってきます。

それがあることによって、不妊や早産・流産のリスクが高くなるのです。

かといって「何cm以内であれば安心」などといった明確な基準もなく、いつ・どうなるかは、完全に個人のタイミングや運に任されるということでした。(現に、筋腫を抱えたまま元気に出産されている女性もたくさんいらっしゃるそうです)

そして、手術をされている方の多くは大きさが5~6cmを超え始めてから。

私の場合は筋腫自体は小さいため、無理に摘出手術はしなくてもいいと言われました。

ただ、もし今後妊娠する可能性を考えると年齢的に決して早くはないので、絶対にノーリスクだとも言い切れず。今後妊娠の妨げになるのなら、手術もアリだと。

第一、これは夫婦の家族計画がありきで進んでいく問題です。

先人たちの例も踏まえ前向きに筋腫と付き合っていくのであればそれでいいし、夫とよく考えるよう言われ、完全に決断は任される形となりました。

子供に関する問題について

私は、生まれてこのかた「子供が欲しい」と思ったことはありませんでした。

過去、社畜まがいな時期もありましたが、なんだかんだ働くことが好きだし、それで得たお金で好きなことをしたり、自分の時間を過ごす生活が気に入っていました。

結婚して、「次は子供」みたいな社会の暗黙の了解みたいなものが消えない中、なんとか子供に対して前向きになろうと色んな情報を調べても、子育てや子持ち女性の働き方に関してはネガティブなトピックが目立つばかり。(私がそういうアンテナしかはれていないからかもしれませんが...)

こと仕事と家庭の両立となると家事・育児の負担は女性にかかってくるし(男性の意欲があったとしても社会構造上)、もし一旦仕事を離れるとなると、子持ちの再就職に関する風当たりはまだまだ厳しい。そのくせ、男性側の収入だけで不自由なく過ごせる世の中かというと、多くは限界がある。

調べれば調べるほど、妊娠・出産に関する意欲が失せていきました。

同時に、「子供はいいかも」と感じる自分に、なんとなく罪悪感も感じていました。

幸い、私たち夫婦の両親は、自分達の希望を子供に押し付けるようなタイプではなく、孫に関しても何も言われたことはありません。

しかし、夫は義父母からしたら唯一の息子(義姉・夫)。ストレートにその苗字をもつ孫をきっと見たかろうなと思うし、私も私で親にとっては一人娘なので(私・弟×2)、「自分の子供から出てくる孫」は特別楽しみだろうな、と心のどこかで思っていました。

何より、夫が「一人の人間がこの世に生まれてから、自分達の与える環境や教育次第で、人格を形成し自立していく過程に携わりたい」という思想のもと、子育てという人生経験を積みたいと思っていること。

夫は寛大な人間なので、私にどうしろという事はありませんでしたが、周りを差し置き自分のわがままだけで「産まない」という選択をしていいのか。。

「ほしいと思わない」とはいえ、「一生産まない」という勇気も覚悟も一向にもてないでいたのです。

そのため医者に「考えてね」と言われても明確な答えは出ず、結局のところ手術はせず経過観察、という答えに、一度は至りました。

仕事観とこれからの人生設計

そんな中、仕事で小さな動きがありました。

もしかしたら、将来的に今の派遣先の直接雇用していただける可能性が出てきたのです。(あくまで"可能性"で、全てがうまくいった結果の話です)

今、私は派遣社員としてとある企業で働いています。そこでの仕事内容や職場環境が割と気に入っており、何より俯瞰して考えた時に、この組織で働くことが今後のキャリアに絶対にプラスになると感じていたので、そういった話が出てきたことはとてもラッキーでした。

とはいえ、そんな簡単にもいかず、経験すべき職務や人事のタイミングなど、いろんな問題が出てきます。もちろん、それによっては直接雇用が叶わなくなることもあるでしょう。

特に私のような妊娠・出産があってもおかしくない年代は、その辺りもうまく計算していかないといけません。

しかも、派遣社員→直接雇用のように雇用形態や勤め先企業が切り替わる際、タイミングによっては最悪、育児休暇や育児休業給付金の適応外になることだってありえます。

今まで長く社会人生活で税金を納めてきたのに、大事な時にその恩恵にあやかれないのはかなり残念ですよね。笑

これがきっかけとなり、夫婦で私の年齢も踏まえ(生物学的な意味で)「もし子供を持つにはベストなタイミングはいつか」を話すことになりました。

同時に、メディアなどの影響で子育てにネガティブな印象を持っている私だったので、どうやったら一緒に協力し合って育児に向き合えそうか、という事も話しました。

かなりプライベートなことなので具体的な内容はふせますが、それによって俗にいう「妊活」とやらのタイミングを考えた結果、「それなら今のうちに取っちゃおう」となったわけです。放っておいても筋腫は少しづつ大きくなるだけだし、そうなるとリスクも高くなりますしね。

「仕事」ありきで初めて前に踏み出せたことがそもそも子供に対するスタンスとしてどうなの?という感じですが、生涯的に働ていきたいと思う私の性格と、決して給与水準が高いとは言い切れないアパレル業界で、仕事に誇りとやりがいをもって働いている夫と経済的に支えあうことを考えた時、これが私たちならではの選択のように思いました。

(もちろん私の雇用の話がうまくいかない可能性や、今後夫が転職する可能性もあるので、今のところの話です)

筋腫を持って妊娠するという事

手術のことは、上記のタイミングだけで決めたことではありません。

私には妊娠経験がないので、直近に出産を経験していた友人にも相談しました。

最近出産をした女友達と、同じく最近父親になった男友達。

二人の意見で共通して言えたのは、

「子宮に疾患があることで、妊娠中は常に「私のせいで元気にお腹で育ててあげられないかも」という不安が付きまとう。ただでさえ些細な動きや行動でナーバスになるし、体調も人一倍不安定になるだろうから、ストレスは尋常じゃない。タイミングが許すなら取っておいてもいいかも」

とのことでした。

ほか、どの言葉も経験者ならではの説得力があり、本当に話を聞いてもらえてよかったと思っています。

筋腫を持ったまま無事出産されている方も多いとはいうものの、やはり私は婦人科系疾患が原因の早産や妊娠中の体調悪化が心配でした。

基準が仕事になって情けない話ですが、先述の通り逆算すると妊娠中も就業していることがうまく進む条件の1つだったので、安静療養や入院などは出来るだけ避けたかったのです。(とても母性ある方からすると、そこまで固執する必要ある?と軽蔑されるかもしれません...)

最悪の場合、流産という結果になれば色んな罪悪感に苛まれることは目に見えているし、私みたいな人間が母になろうとしていることに自信ももっとなくなるでしょう。

なんだかんだ、慎重&心配性な性格です。「いずれにせよ、自分が安心と思える結果をとればいいんじゃない?」という男友達の意見が背中を押してくれました。

諸々のリスクを排除した選択に

結果的に、仕事のタイミングが考えるきっかけとなり、諸々の可能性を考慮したときに、これ以上大きくなる前に取り除いておこう。という決断にいたりました。

一旦手術をすると、傷口が安心と言えるまで妊娠のタイミングが遅れます。

かといって、放置しても徐々に大きくなるだけで、リスクは消えません。

人によっては、筋腫をもったまま妊娠することに抵抗はないけど、いざ妊活を始めたらそれが不妊の原因になっていた…今から手術をして治りを待つうちに時だけが経ってしまう。という事もあり得ます。

本当に、難しい問題だと思います。

結局は友達が言ってくれたよう、「自分が納得と安心できる結果を」というシンプルな答えに行きつきました。

もちろん、「安心=手術をしないこと」という選択肢もあると思うので、上記はあくまで私の場合です。

さいごに

私にとって子宮筋腫は、手術以外にもいろいろと意味を含んだ出来事でもありました。

今まで避けて通ってきた「子供」という節目に対して、嫌でも向き合わなければならなかったし、自分の年齢や状況も改めて認識させられました。

このタイミングで仕事上での変化の話が出てきたことも、いい意味で何かのご縁だったのかなぁと思います。

そして、1つ気づいてしまったんです。

仕事が大きな部分を占めているとはいえ、また順調な妊婦生活が仕事に関わる自分のエゴとはいえ、「無事に産みたい」ってちゃんと思えているんじゃないの?と!

今まで、私に母業は無理だと思っていたし、子供に前向きになれないことがコンプレックスだったけれど、健康に腹の中で育てたいと思えているという事に少しは自信を持ってもいいのかな、と。

もう、そう思えている素養はあって、あとは何かしらついてくるんじゃないか。

 

…と少し話はそれましたが、以上が、前回書ききれなかった私が手術を決断した理由・今まで持っていた価値観の話です。

子宮筋腫とどう向き合うかは、個人の症状や人生設計に密接にかかわってくる部分なので、治療方針の判断はとても悩まれると思います。

今や、子宮筋腫は30代以上の女性の3~4人に1人はかかる疾患です。

私は3cmで手術をするかかなり悩みましたが、この大きさをどうされるか悩まれる方も今後いらっしゃるのでは、と今回の記事を書きました。

いつか、どなたかのお役に立つと嬉しいです。