先日、京セラ美術館で開催されているMUCA展にいってきました。
会期終了直前の1月頭の3連休に乗り込むという相変わらずのギリギリっぷり。
個人的には珍しく、アーバンアートと言われるジャンルの展覧会鑑賞で、これがまた難しかった。。
どうにもこうにも腹落ちしておらず、ロクな感想も書けそうにないのですが、行った記録ということでわからないなりに筆をとります。
作品がもつメッセージを全くアウトプットできない感想になりそうで申し訳ねぇ。。
とはいえ鑑賞を通して、改めて「物事の本質をきちんと理解しよう」と思った展示会でした。
MUCA展もといアーバンアートについて
まず、MUCAとは。
MUSEUM of URBAN and CONTEMPORARY ARTの略で、まさにアーバンアート、つまりは都市型のストリート作品を展示したドイツの美術館の総称。
作品の一番の特徴としては、「街中や公共空間、社会インフラをキャンバスとして自己表現している」というところでしょうか。
従来の絵画やグラフィックがキャンバスやデジタル上の画面が舞台であることに対し、アーバンアートのクリエイターたちの舞台は町中の壁や一角。
今回鑑賞した作品としては、シャッターや廃材などを用いた作品などもあり、よくある「●●美術館展」などのお行儀のいい作品に比べて自由度やアウトロー心みたいなものをいたるところに感じました。
MUCA展で鑑賞した作品たち
出展されているアーティストとしてはバンクシーとカウズくらいしか知らなかった私。
見てみるとそれ以外にも興味深いアーティストを新たに発見できる経験は、美術展ならでは。しかしながら「興味深い」と「わかる」は別物のようで。。
こちら、序盤で目を惹かれたスゥーンの作品。テイストが好み。
元々家族に見せていたところ、もっと多くの人に見てほしく思い公共空間で表現し始めた、とのこと。
つまり彼らは、何かしら世間に見てほしいという前提があるから街を舞台にしている。
...まぁここまではわかる。
こちらポルトガル出身のヴィルズの作品。
不要となったドアに施したアートで、パッと見「かっこいいな」と思ったもつかの間。
その主張が「都市景観の均質化が人々のアイデンティティにもたらす影響の反映」だそう。
......わからん。
こちらはおなじみ、カウズの作品。
町中の既存広告に自らのグラフィティを被せたアートが有名だけど、その意義が「公共空間を取り戻すための彼なりの挑発的な取り組み」だとのこと。
......わからん。
どいういうこと?物質主義社会に喧嘩売ってるってこと?!
こんな感じで、終始脳内で「わからん...」が飛び交う始末。
アーバンアートとその本質とは
彼らが「伝えたいことがある」からこそ「見える場所で自己主張する」のはわかる。
でもその中身である、「何を伝えたいのか」もとい「社会の何に対し問題提起しているのか」そして「なぜそれを公共の場に出すことに意義があるのか」がわからんのです。
バンクシーなんか風刺だからまだわかりやすいほう。
多分反論や皮肉なんだと思うけど、その深いところまでは全く理解できないままでした;;
総括
総じて、「難しい」という感想に徹した本展示会。
何度も書くように、社会に対し何かしら声を上げているのだけど、それが何をメッセージしているのかまだちゃんと理解できてない。
でも作品を見る以上、それも含めわかろうとする姿勢は忘れずにいたいな。と。
バンクシーやカウズはじめ、話題性や有名ブランドとのコラボがあるから「価値がある」のだと位置付けるのではなく、主張を伴った「現代アート」であるからにはきちんとその背景や文化・芸術的意義を見れる人でありたいな、と思います。
最後にこちら、展示で特に目立っていたバンクシーの作品、ディズマランドのアリエル。
目立つしキャッチーなので来場者はほぼ全員スマホで写真を撮っていたのですが、作品のキャプションを呼んでいる人はほとんどいませんでした。
バンクシーにはこの光景がどう見えるかな。恰好のネタになるかもな。
と思いながら会場を去る。色々と頭を使った展示会でした。