京セラ美術館にて開催されている、アンディ・ウォーホル・キョウト。
一時はコロナの影響で開催が中止されたこちらの展覧会。実に2年越しの開催。
当初の予定だった時は行く気満々だったのですが、今回私は完全に気持ちに余裕がなく(土にまみれてたので)、あることもすっかり頭から抜けておりました。。
そんな折、母が珍しく興味があるというので思い出したように一緒に行ってきました。
開催期間は実に2月12日まで。何ともギリギリだこと。(おかんありがとう)
私としては、ポップアートジャンルの美術展は初めて。ポップカルチャーや大衆広告という、今までの展覧会とは違った見方ができてとても楽しかったです。
商業デザインにはあまり詳しくないので大したことは書けないのだけど、せっかくなので覚えているうちに記録しておきたいと思います。
珍しく写真撮影OKの展示会だったので、画像多めでいくよ!
アンディ・ウォーホルと京都
まず、こちらの展示会。国内外ともに巡回はせず、京都限定で開催されているかなりレアなものらしい。
というのも、ウォーホルは生前2度にわたって日本に訪れたらしいのだけれど、その際の京都訪問がその後の彼の創作活動に少なからず影響を与えたからとのこと。
実際にウォーホルが京都の町をドローイングした原画なども展示されてあり、ばっちり鑑賞。
こちらは祇園祭の鉾かしら…?
多少の時代の変化はあれど、今私たちが見ている京都の寺や町並みを、かつてのウォーホルも見たのだと思うとなんだ変な感じ。
彼が手掛けた、NYのエンパイアステートビルを8時間ぶっ通しで写しただけという映像作品。これも龍安寺の石庭からインスピレーションを得たとのこと。
本人が実際に見たものを、今私たちがほぼ同じ状態で目にすることができるってすごいよね。こんなことを感じられるのも、現代とそう遠くない過去のアートだからこその魅力だと思う。
ちなみにウォーホルはこの旅行の際に我が奈良にも来てくれたそうなのだけれど、わずか一日「立ち寄る」という単語でキャプション説明がすまされておりました。まぁ奈良ってそんなもん。
アンディ・ウォーホル・キョウトの感想諸々
さて、ここからは展示をみた感想を取りとめもなく書いていきます。
素人ながらアンディ・ウォーホルの何がすごいのかを調べていたら、その中の1つとして
「それまでの時代に見られた、表現における崇高さ・精神性みたいなものを無視し、キャッチーさや消費されることが前提の新たなジャンルのアートを作った」
ということに、自分の中で腹落ちしたような気がします。※正解かは不明
モノの大量消費が当たり前になった時代に、シルクスクリーンという大量生産の概念を自分の作品にも反映させ、同じものを惜しみなく出しては消費させる感じ?
それまでの、作品=「芸術」という概念から、「広告・商業」のジャンルにまで派生させたのはきっと新鮮だったと思う。
ウォーホルの有名な作品群として有名人の肖像画があるけれど、これはまずポラを撮って余計なシワやシミなど一切排除して仕上げているというのも面白い。
後のPhotoshopと同じことをこの時代に先んじてやっていたなんて、人が求める価値観なんて結局今と変わらないのかな。なんて思ったり。
とはいえ、当時の著名人にとってはウォーホルに肖像画を手掛けてもらうことがステイタスという部分においては昔の宮廷画と通ずるものもあり、人間の変わらないエゴみたいなものも感じた展覧会でした。
アンディ・ウォーホル・キョウトでの購入グッズ
グッズ売り場。それすなわち宝の山という名の沼。
展覧会グッズは一期一会だから我慢しない!と決めつつ、我を保たないとえらいことになるので、ささやかにお持ち帰りしたのがこちら。
・タオルハンカチ×2(1つは夫のお土産)
・手ぬぐい
・ミニクリアケース
これらに加え手ぬぐいと同柄のポストカードも購入したのですが母に取られました。笑
実家のトイレに飾るらしい。。どうせならもうちょっとええとこに飾ってくれ。
やはりポップアート、グッズ映えするものばかりで今までみた展覧会の中でもダントツでかわいいものばかりでしたTT ※ちなみに同率一位は2019年のクリムト展。
閉幕間近で売り切れてるものもちょこちょこあった模様...もっと早くに来ておけばよかったな、くそ。
京都のメーカーや各種アパレルとコラボしたものもチラホラ。
一澤信三郎帆布とコラボしたビッグトート。16500円。チャリーン。
CA4LAとコラボした帽子。9900円。チャリーン。
グッズとしてサクッと買うにはなかなか勇気のいるお値段なものの、今回の展覧会の本気を感じました。。
とにかくどれも魅力的なものばかりだったので、よければ公式サイトをご覧ください。
GOODS|アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO
私ももっと予習しておけばよかったな。。
総括
事前知識があまりないので「どうかな...」と思っていたものの、結果的に行ってみたらめちゃくちゃ楽しかった。
商業アートの始まりを見ることが出来たし、何よりずっと名前と作品だけ知っているという感じだったアンディ・ウォーホルに前よりは詳しくなれました。
ウォーホルが描くとこうなるらしい、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』。
ていうか印象派とかルネサンスとかの時代よりずっと近い分、今の時代への影響みたいなものがもろにわかるから、ハマり出すとこっちの方が深いかもしれない。
事前知識なんて、自分で勉強しておいたらよかったのだよ。
展示や説明を見ていて、ウォーホルのコンプレックスとか承認欲求とかで悩んでいて、それを昇華していく手段がアートやデザインとして生涯葛藤していたのかと妄想すると、「んー!!ウォーホル!!!」ってなったよ。(語彙力)
何はともあれ、興味のあることがまた一つ増えました。UTでウォーホルのTシャツあったら買ってしまいそうだわ。
これをきっかけにデザインや近代アート関連の展覧会にも足を運べたらいいな。
とりあえず、今回一番のグッジョブは機会を思い出させてくれた母だといっておこう!笑