先日のブログにて、世界報道写真展の内容やオススメ理由を書きました。
本当は感想、印象などなど書くつもりだったのですが、これがいかに(自分にとって)すばらしーい写真展なのかを記載しているうちに話がそれにそれて、2回に分けるに至ったのであります。未熟...
さて、本日のこちらが当初の本題。世界報道写真展のレビュー、始まりまーす。
世界報道写真展 印象に残った作品6選
著作権も気になるところだけど、いくら文章で伝えても目で見てナンボだと思うので、
このブログがネットの深海に埋もれていることを信じ、すでに何かしらのサイトに上がっている画像をお借りすることとすします。何卒、ご容赦を。
一般ニュースの部:組写真2位|コンゴでの政治抗争
写真はMSNニュースより。ジョン:ウェッセルズ撮影。
コンゴ共和国にて、ジョセフ・カビラ大統領の後継者を選ぶ総選挙期間中の、対抗している政党同士の暴動の様子。バックに映っている紫の煙は、催涙ガス。
これが世間一般の「選挙」の様子なのか?と疑いたくなった。
コンゴの人は、将来への希望に対しこんなにも命を懸けて選挙に臨んでるのだ...
日本では選挙権あっても投票率は下がっているばかりだというのに。
なんでも、コンゴではこれが独立以来、初めての平和的な選出だったのだとか。
世界には今の暮らしを変えたくても、危険を冒さないとその望みを託すことすらできない人もいるのだ。
選挙、いい歳こいて今まで何となく行ってただけだったけど、もっと真面目に考えよう...
一般ニュースの部:組写真1位|イエメンの物乞い母子
写真はMSNニュースより。ロレンツォ・トゥグノリ撮影。
内戦が続いているイエメンにて、物乞いをしている母親と子供。
こちら組写真の中の1枚なのですが、内戦の状況を表している作品ということで、他にもけが人の様子など、残酷な写真がたくさんあった。
なんでこの写真が印象的だったかというと、真っ黒なアバヤを身にまとった女性から発される、ゾクッと来るような異国感なんだと思う。
内戦、物乞いと、日本からは考えられないような、悪い意味での非日常感にイスラム独特のちょっと危なげな雰囲気も加わって、見た瞬間から忘れられない作品になった。
現代社会の問題の部:1位|ラテン女性の成人
写真はMSNニュースより。ディアナ・マルコシアン撮影。
「キンセアニェーラ」と呼ばれるラテンの成人式を祝ってもらう女性。
ここでは15歳で成人としてみなされるらしいのだけれど、この女性は脳の手術を受け余命は13歳までだったのだとか。
これはもう、シンプルに写真がキレイだったそれに外国の普通の日常がわかる風景だったので、すごく印象に残った。
果たしてこの作品は、手術の回復を喜ぶプラスのもなのか、それとも15歳という若い年齢で成人という風習を社会問題とするマイナスのものなのか。
カメラマンはディアナさんだから、多分この方は女性かな。
私は素人だけど、こういう構図とか色彩はとても好き。
環境の部:組写真2位|メキシコの農業問題
写真はMSNニュースより。ナディア・シラ・コーヘン撮影。
メキシコにて、農薬を使用している大豆農家と対立するマヤ族の養蜂家。
これも単純に、色彩や光の感じかとてもキレイだった。
...ダメですね。これ多分本来は、農業問題をきっかけに、新興農家と土着民族の対立とか共存について考えないといけない作品のような気がする。
この方もナディアさんって方なので、女性のカメラマンかな?
この前に展示してあったのが、紛争や難民の被害を直接的に映している写真ばかりだったので、このようなものを見たらやっぱり単純に、キレー...、と思ってしまった。
ポートレートの部:組写真3位|スペインの伝統衣装
写真はMSNニュースより。ルイーザ・ドール撮影。
スペインのバレンシア地方のファジェラとよばれる伝統衣装。この地方では、火祭りの際にこの衣装を身にまとうらしい。
これも単純に、写真がキレイだったから。浅はかー...
組写真だから、同じファジェラをテーマとして他にも写真が飾ってありました。
普通に、FIGAROとかTRANSIT用の写真って言われても信じてしまいそう。
ポートレートの部:組写真1位|ナイジェリアの双子の村
写真はMSNニュースより。ベネディクト・クルゼン、サンネ・デ・ワイルド撮影。
ナイジェリアは世界で最も双子の出生率が高い国らしい。そんな数組の双子さんたちをおさめている作品。
これはもう単純に、この事実に驚いたというか。とある村ではほぼすべての家庭に1組は双子がいるんだとか。すげー!!!
そしてそして、この作品。
日本のフォトグラファ、ヨシダナギを彷彿とさせるポージングと構図。笑
ちょっとムラサキ強いけど、ニュアンスがめちゃくちゃ似ている。。笑
この作品群で本当にヨシダナギみたいな写真がもう1枚あったんです。ネットで探しても見つからず。お見せしたかったのに残念。
...つまるところは、双子の事実に加えて写真のスタイルに魅せられたということでしょう。またしても浅はか!!
まとめ
ここに紹介させてもらった作品たちは、私が特に印象に残っていて尚且つ、ネット上に素材があがっていたものです。
本当は、内戦や難民の様子、爆発事件などの写真の中にも、印象に残ったものはたくさんあったのですが、公共の電波にさらすには刺激が強いからでしょうか、なかなか見つかりませんでした。
確実に思ったことは、写真ってすごいな、ということ。
泣いてこっちを見ている子供や、必死に逃げている人の表情、なんか1枚1枚が、貴重で重たい。写ってる中で生きてる人と撮ってる人の魂こもってるみたいな。
絶対に戻れない瞬間の1枚のパワーがすごいというか、巻き戻しの聞かない一瞬一瞬を収めた撮り手側の熱量と、被写体の表情のリアルさを見ていて感じました。
ここまでつらつら書いてきましたが、久々に見に行った世界報道写真展、やっぱりよかった!
辛くて直視できない作品もあるけど、地球で起こっている問題を少しでも受け止めるため、来年からもできるだけ見に行きたいと思う。